X(Twitter)インスタントウィンとは?キャンペーンの仕組みやメリット、事例や勘所を知る

TwitterをはじめとするSNSキャンペーンでは、「インスタントウィン」という手法がいまや一般的になりました。インスタントウィンとは何か、なぜそれがTwitterを中心としたSNSキャンペーンでよく使われているのか、仕組み・やり方やメリット、そして事例までを解説します。

インスタントウィンとは

インスタントウィンとは、応募したその場で当落がわかる懸賞の仕組みです。即座に当落がわかるため、消費者の参加に対する心理的ハードルが低いのが特徴です。この仕組みをTwitterの自動返信で実装し、参加条件をフォロー&リツイートとすることで、Twitterの拡散効果を利用しながら認知度向上や購買促進に繋げます。インスタントウィンキャンペーンのことを指して「フォロリツキャンペーン」と呼ぶケースも見られます。

Twitterでのインスタントウィンキャンペーンは以下のような流れです。

  1. Twitter上でキャンペーン実施アカウントをフォロー(キャンペーン参加条件その1)
  2. 特定のツイートをRT(リツイート)(キャンペーン参加条件その2)
  3. すぐにそのアカウントから抽選結果が返信される(Twitterのリプライ/DM)

インスタントウィンの基本展開のイメージ

Twitterを使った日本で最初のインスタントウィンキャンペーン事例は、2016年の日本コカ・コーラによる「ヨーグルスタンド」のローンチでした。従来のキャンペーンは、募集期間の後に結果を当選者にのみ連絡する形でしたが、インスタントウィンでは応募のタイミングで当落が分かります。初速で消費者の認知を取りたかったこのケースでは、Twitterのインスタントウィンが見事にはまりました。

 

インスタントウィンのメリット-人気の理由

インスタントウィンがSNSキャンペーンで爆発的に広がったのは訳があります。一般的なメリットと、Twitter・LINEで実施した場合のメリットを考えてみます。

参加ハードルが低く、フォロワーを一気に増やせる

ソーシャルメディアを利用したキャンペーンの際、フォロワー獲得はもっともメジャーな目的の一つです。参加条件を、「フォローする」「友だちになる」といった条件にすることで、当たりはずれに関係なく、参加者全員とつながることができます。このやり方で、企業側は目的通りユーザーと緩くつながった状態を作ることができ、今後も見据えたユーザーとのコミュニケーションの基盤ができるのです。

応募時は個人情報の入力が不要のため参加のハードルが低いのもポイントです。そしてソーシャルメディアを使った参加のため、いつでもどこでもユーザーは応募可能です。従来型のスクラッチカードとの大きな違いでもあります。

このように、ユーザーにとってはボタン一つで手軽に参加できる仕組みによって、企業から見れば従来よりも圧倒的に安いコストで顧客とつながれる「効果の出しやすいキャンペーン」ができるようになり、事例が一気に増えました。

Twitterのインスタントウィンはリツイートがキモ

Twitterの拡散性を支えるポイントはシェア(=リツイート)にあります。この特徴を活かすために、キャンペーン時のTwitter広告はキャンペーン投稿に課金する形が通常です。まずキャンペーンツイートに広告をかけ、インスタントウィンキャンペーンを多くのTwitterユーザーに知ってもらいます。ここで広告ツイートがリツイートで拡散されたあと、二次拡散によって起きたシェアやリツイートなどのアクションに対しては、広告費が課金されません。つまり、オリジナル投稿に広告でブーストをかけたあと、シェアやリツイートによって追加広告費なく効果的にレバレッジをかけることができます。「フォロリツ」のキャンペーンが多い理由はこの点にあります。

またこのようなキャンペーンによってユーザーがそのキャンペーンについて話題にする(単純なリツイートではなく、ツイートする)ことが増えると、Twitterの「トレンド」に掲載されることがあります。このトレンド掲載に対する広告効果は絶大で、このトレンド枠掲載が「トレンドテイクオーバー」として高価格帯の広告メニューとして設定されているほどです。発話量を増やしてトレンド掲載を狙うために、あらゆる工夫を凝らしたTwitterキャンペーンが日々実施されています。

「Belugaポータル」ではリサーチの一貫として、トレンドテイクオーバーの一覧を整理しています。どのようなトレンドが購入されているのか確認することができます。 — Belugaポータル:リサーチ

LINEのインスタントウィンはプライベート感

LINEでもインスタントウィンのキャンペーンを実施することができます。当社ユニークビジョンの「Belugaキャンペーン」はTwitterだけでなくLINEでも提供しています。Twitterの拡散性と違ってLINEは1:1でユーザーとつながるもの。健康食品や美容・ダイエットなど、オープンな場所では応募しにくい商材とも相性が良いです。

SNSとしてのLINEの強みは、Twitterと異なり1電話番号あたり1アカウントであること。複数アカウントを作っての大量応募は基本的にできません。Twitterの拡散性とLINEの確実性といった双方の特徴を生かし、Twitterで拡散してもらったあとにLINEへ誘導し、LINEでインスタントウィンを実施するといった「合わせ技」も可能です。

TwitterとLINEの連動型インスタントウィン

インスタントウィンの仕組みとは

インスタントウィンは自動返信・即時返信がポイント

Twitterキャンペーンを例に、インスタントウィンの仕組みを解説します。インスタントウィンのポイントは、即時返信です。ユーザーがリツイートして応募すると、自動でユーザーに抽選結果を返信します。それが「インスタントウィンのキャンペーンツール」と呼ばれています。弊社ユニークビジョンは「Beluga キャンペーン」を提供しています。抽選条件や判定ロジック、当選後の導線などを細かく設計してオリジナリティの高いキャンペーンを実施いただけるのが特徴です。

同じインスタントウィンでも、キャンペーンの企画によって、バラエティーに富んだ施策が可能です。マーケターの知恵の使いどころです。

参考:【Twitterキャンペーン成功事例3選】当たり・はずれだけじゃないインスタントウィンとは?

インスタントウィンのの自動返信・即時返信

なお、このインスタントウィンの仕組みは、一連の流れがTwitterの中で完結できるのがポイントです。ユーザーがOAuth認証をする(連携アプリを認証して、アカウント一定の権限を渡す操作)必要はありません。一方、外部のサイトに飛ばして当落の判定を出す場合はOAuth認証を介するしかなく、離脱されやすくなります。

当選したユーザーには、「あたり」を通知するオートリプライと同時に、実際にあたりの景品を渡すために、DM(ダイレクトメッセージ)も自動で配信します。ギフトコードを送信したり、賞品発送先の当選者ごとにユニークなURLをDMで配布し、そのURLを通じた発送先登録は一度しかできないようにして不正利用を防ぐことが可能です。

インスタントウィンのやり方を考える際に考慮すべきこと

当選数の厳密なコントロールをしたいケースは多いでしょう。単純に確率のみでランダムに当選を出していると、参加者が増えた場合、そのまま当選数も増えてしまいます。当選数をあらかじめ設定し、用意した分のみ当たりを出す仕組みとするのが通常です。SNSキャンペーンツール選定の場合は「当たり数をコントロールできるやり方があるか」を見ておきましょう。

インスタントウィンはできるだけTwitterの中で完結したほうがよいでしょう。ユーザーは「Twitterの中でくじをしている」意識でいます。外部のウェブサイトに誘導して抽選を行ったりすると、離脱されてしまいます。仮に外部のサイトへ誘導した場合でも、Twitter画面と違和感がないような配慮が必要です。ユニークビジョンがTwitter社とともに開発した「カスタムストーリー」は診断などでよく使われている外部ページですが、Twitterのライクな画面で構成され、ユーザーの没入感を損なわないように設計されています。

TwitterみたいなWEBページ「カスタムストーリー」

インスタントウィンで要注意は返信上限数

Twitterアカウントが一定時間内に送付できる返信(リプライ)には上限数があります。認証バッジの有無やアカウントによって異なり、認証バッジがない場合は30分でたったの50回です(2022年11月現在)。また、キャンペーンを実施するアプリ側にも上限があり、アカウントの上限またはアプリの上限の厳しいほうが適用されます。大規模キャンペーンを実施する場合はかならずTwitter社に上限の返信数を確認することをお勧めします。

この上限に達してしまった場合は、返信が停止してしまいます。一定時間が経つとまた可能になりますが、即時返信を売りにするインスタントウィンではあってはならないことです。Belugaキャンペーンでは、上限に達して停止してしまう前に自動で制御し、返信を遅れさせることで影響を最小限にするための工夫をしています。

返信上限数のリスクが気になる場合は、インスタントウィンではない、別のTwitterキャンペーン施策を検討しましょう。後日一斉抽選を行ったり、アイコンジャック、スタンプラリーなど、目的に応じてできることは多くあります。インスタントウィンは飽くまでも目標達成のための手段であるととらえ、ほかの機能によって実現するのも一つの考え方です。

インスタントウィンのやり方 – 何を考慮するか

インスタントウィンのキャンペーンを企画する際に、考慮すべき点を整理します。

キャンペーン参加条件を決める

インスタントウィンキャンペーンへの参加条件の設定です。前述したように、リツイートは一番手軽にユーザーに拡散してもらえる仕組みのため、鉄板です。ところが、Twitterの拡散には、引用ツイートやメンションという方法もあります。特定のハッシュタグをユーザーにツイートしてもらうことで、関連するツイートを増やし、トレンドを狙う手法です。何をキャンペーンの参加条件をとするかを最初に決めます。

いいね/リツイート/ユーザーツイートの違い

インスタントウィンのキャンペーンの参加条件を考える際には、どのようなツイートをしてほしいか、何を目的としているかを考えながら、各種参加条件の特性を考えることで決められます。

いいね/リツイート/ユーザーツイートの違い

トレンドに掲載させたい場合は、ユーザーツイートを狙うことになりますが、ユーザーにとってはハードルが上がります。どうしたらユーザーが楽しんで自分で進んでツイートしてくれるか考えていきます。一方、いいねやリツイートは自分で文字を打つ必要がないため、ハードルとしては下がりますが、トレンド掲載に繋げるのは難しくなります。

インスタントウィンの当選条件

当選条件としてランダムか、なんらかの重み付けを実施するかを決めます。重み付けは、「引用リツイートをしてくれたら当選確率2倍!」といったような、ユーザーの行動を誘発するようなものから、重複当選の防止、フォローチェックを自動実行し、未フォローのユーザーを当選させない、などといった実施方法があります。

配送について – ネット完結か配送が必要か

商品を実際に送る必要がある場合は当選者の配送先の個人情報や、物流の手配が必要です。当選者に個人情報入力フォームをDMで送り、当選者はそこに個人情報を入れて、商品が届くのを待つ形になります。商品の配送が発生する場合は、入力フォームや物流の仕組みまでを持っているツールベンダーを選定しましょう。

ギフトコードや引換コードなど、ネット上で賞品の受け取りが完結する場合も同様に、当選者にはDMで連絡します。ただ、当たりの内容が他者にシェアされてもよい、他者の手に渡ってもよいものであれば、その限りではありません。例えば店頭で配布されているものと同じ割引クーポンであれば、他人の手に渡ることを気にしなくてもよいでしょう。

Twitterキャンペーンの「自動化ルール」を知る

「Twitterキャンペーンに参加してくれたユーザーへリプライでメッセージを返信したい」と思っても、検討した内容全てを実現できるわけではありません。Twitterには「自動化ルール」と呼ばれる、Twitter APIを活用したSNSキャンペーンツールがユーザーへ何かしらのアクションを行う場合に遵守すべきルールがあります。ユーザーへリプライ・DMを自動で返信する場合はこのルールに則ってキャンペーンを実施する必要があります。ルールを確認しておきましょう。

そのキャンペーン本当に大丈夫?Twitterキャンペーン実施時に確認すべき「自動化ルール」とは

インスタントウィンツールの選定

インスタントウィンのキャンペーンを自分たちだけでやるのか、ツールベンダーに任せて伴走してもらうのかを決めましょう。キャンペーンツイートに投下する広告コストを考えると失敗できません。仕組みの実装やテスト、実行までをどのパートナーと実施するかを考えていくことになります。SNSキャンペーンの実績数も一つの選定基準です。

参考:ユニークビジョン キャンペーン Case Study (お客様事例)

クラウド型 Twitter キャンペーン構築システム Belugaキャンペーン

Twitter インスタントウィンの成功事例

Twitterのインスタントウィンの事例を3つピックアップします。

フォロリツで参加する感謝祭。サンリオのインスタントウィン

株式会社サンリオ様では、こぎみゅん【公式】(@cogimyun_sanrio)の10万フォロワー達成時のファン感謝祭として、フォロー&リツイートで参加するインスタントウィンを実施されました。インスタントウィンキャンペーンは参加後すぐに抽選結果が分かるというユーザーのメリットがありますが、はずれた場合もキャンペーンを楽しめるよう、はずれリプライ画像のバラエティーを多く取り揃え、コンプリートを狙えるようになっています。

サンリオ:フォロワー10万人突破記念!「こぎみゅん感謝祭」を5日間連続開催

返信は20種類。当落以外でも楽しめるアットホームのインスタントウィン

需要期のSNS上でのリーチ拡大を目的に、インスタントウィンのキャンペーンを実施。当落結果を伝えるだけでなく参加者が楽しめるコンテンツが当キャンペーンの狙いでした。開催期間中の複数回応募を可能とし、抽選結果の動画クリエイティブを増やすことで、飽きさせることなくユーザーとの接点を増やしました。

当キャンペーンでは、カンバセーションボタン機能を使い、ユーザーにつぶやいてほしい内容があらかじめボタンにプリセットされていました。ユーザーの負担を減らしつつ、ツイートして欲しい内容をツイートしてもらうための工夫です。

アットホーム:エンゲージメントを高める3つの工夫でインスタントウィンの効果を最大化

レシート画像を使ったLINEのインスタントウィン

3つ目は株式会社明治様による、LINEのインスタントウィン事例です。LINE上でレシート画像を送るとその場で結果が分かる「マストバイ」型で企画され、画像判定AIと文字解析の判定によって、当選条件を細かく設定していました。抽選時の文字解析では、応募条件を満たすレシートであるかの判定だけでなく、同一レシート画像で複数回当選しないよう設計されています。

明治:レシート画像を送るとその場で結果が分かるLINEのインスタントウィンを実施

インスタントウィンの仕組み・メリットまとめ

Twitterインスタントウィンとは、Twitterの拡散性をうまく利用した、即席懸賞キャンペーンです。アイデア次第で可能性が広がるシンプルかつ奥深い仕組みですが、以下のようなことを考慮しながら企画していきましょう。

・Twitterインスタントウィンとは、応募したその場で当落がわかるTwitterキャンペーンの仕組み
・参加ハードルが低く、フォロワーを一気に増やせる
・インスタントウィンは即時返信(オートリプライ)がポイント
・キャンペーン参加条件、返信上限数、ツイートタイプの違いや当選数のコントロールを考慮して企画すべし
・LINEでもインスタントウィンは可能

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