新卒で入社した方を対象に行われる「新人研修」について紹介します。ユニークビジョンの新人研修は4月からの1ヶ月で行われます。講義形式でユニークビジョンで扱う技術やシステムについて学ぶのと並行して、課題図書のプレゼンテーション、そして研修のメインであるシステム構築実習が待ち受けています。
課題図書プレゼンテーション
研修前に送付される課題図書(例年10冊弱)を読み、自分なりの理解をまとめ、研修中で5回に渡るプレゼンテーションを行います。発表には社員が参加し質疑応答が行われます。
課題図書はシステム構築の様々な分野から選定されます。要件定義・DB設計・API設計・テストといった一連のフローに関するものはもちろん、デザインやロジカルシンキングなど考え方に関するもの、SQL指南書などの実用書も盛り込まれています。
過去の課題図書の例
・「達人に学ぶSQL徹底指南書」(翔泳社)
・「達人プログラマー:熟達に向けたあなたの旅」(オーム社)
・「ロジカルシンキング」(東洋経済新報社)
・「はじめよう! 要件定義 ~ビギナーからベテランまで」(技術評論社)
社員からは「その技術は普段どのような場面で使われているか」「使うメリットとデメリットは何か」、などエンジニア視点の質問が次々に飛びます。文字面での理解でなく、実践で使えるような知識へと昇華していきます。
社員による講義
講義内容は多岐にわたり、現役社員が講師として講義を行います。ここでは講義の一部を紹介します。
プロジェクトの進め方
「顧客や自分たちが本当に欲しかったもの」というテーマでシステム構築で重要な考え方を学びます。ブランコが欲しい!といったクライアントがいた場合、本当にブランコをつくっていいのかという疑問から始まります。
なぜブランコが欲しいのかなどを掘り下げていくと、実は全然違うものが求められていた、ということがあります。言われたものを言われた通りにつくるのではなく、物事の背景を理解したうえで最善のものを提供するというのはユニークビジョンで大切にされる仕事の進め方です。
デザイン
2021年度は「誰のためのデザイン?」(新曜社)を読みながら、「福島原発事故はなぜ起きたのか」を新卒メンバーと講師であるデザイナー職の社員と共に議論していきました。
デザインの講義で原発事故の話?と疑問が沸きそうですが、「WHY」を深堀していくことが重要になります。デザインが悪いことでヒューマンエラーが起きやすくなったり、逆にデザインを変えるだけで劇的にシステムが使いやすくなることがあります。このようなデザイン思考の話は並列して行うシステム構築実習に役立ち、実践でも学びます。
システム構築に必要な知識についても、要件定義・設計・DB設計・開発・テストなどそれぞれのフェーズごとに講義と実践を繰り返していきます。
他にも各プロジェクトチームによるサービス説明・DevOps・ビジネスマナー・ソーシャルメディアマーケティング・ロジカルシンキング・UVで扱う技術など、ユニークビジョンで稼働しているプロジェクトから技術、ビジネスまで、約30もの多岐にわたる講義が組まれています。
メンター制度
新入社員1人につきエンジニアの先輩社員が1人メンターとして付き、毎日密にコミュニケーションを取りながら研修を進めます。研修期間中はユニークビジョンや技術に関することやそれ以外でもなんでもメンターに相談できます。2022年度は山本・中村・安谷がメンターを務めました。
システム構築実習
例年、CTOの青柳が設定するお題にそってシステムを1人で開発する実習です。一文の短いお題だけ与えられ、各々の解釈、問題提起から必要なシステムを自分で決めていきます。期間内で実装し、完成度を披露します。
この実習こそユニークビジョンの新人研修のメインコンテンツ、メンターと新入社員の二人三脚で1ヶ月間走り抜けます。(メンターは通常業務とも並列で頑張ります!)
入社前にシステム構築の経験があるメンバーもいますが、基本的に手探り状態から始まります。メンターは毎日の進捗やタスク確認はもちろん、時には議論をして新入社員の気づいていない観点についてアドバイスを入れながらサポートをしていきます。
システム構築実習が何の問題もなくスムーズにいくことは、あまりありません。色々な工程で躓きながら進めていきます。実は手戻りが発生することがわかっていてもメンターはその場で指摘せずに見守る場合もあります。例えば基本設計で考慮漏れがあってもその場では指摘せず、詳細設計に辿りついてから初めて要件定義や基本設計でもっと考慮が必要だったということに自ら気づく経験をします。
限られた時間の中でよりよいシステムをつくるためには、どんどん人を捕まえて質問することも重要なスキルの一部になります。ユニークビジョンでは「質問には簡単に回答しない」ということを意識することが大切にされています。答えを教えるのではなく、聞いた人が答えを自分で導けるようにアドバイスをすることで自分の力で段々と解を出すことができるようになります。質問者からすると最初は「なんでこの人絶対知ってるのに答え教えてくれないんだ…」と思うかもしれないですが、きっと力になることを信じて質問するのが吉です。
毎日の講義やプレゼンと並行してシステム構築を行うため、スケジュール管理なども重要な観点となります。新入社員同士がどのようなシステムを構築しているかは最終プレゼンまでわかりません。時には助け合いながら切磋琢磨して最終プレゼンを迎えます。
最終プレゼン
研修最終日には構築したシステムについて社員の前で発表を行います。例えば2022年度の新入社員の一人はLINEのチャットボットを利用した本の推薦システムを開発。発表では、システム上で時刻を指定してサービス登録者それぞれに好きなタイミングで推薦図書情報を送信するデモンストレーションが行われました。
新入社員が1か月で作ったシステムに盛り上がる先輩社員たち。
今までの課題図書プレゼンの反省を踏まえ、聴衆を巻き込んだデモンストレーションをおこなったり、パフォーマンスチューニングなどこだわった点について説明したりと1ヶ月前と比べてかなり成長したそれぞれの個性が光るプレゼンテーションとなりました。
ユニークビジョンで意識されている言葉の1つに、「経験からは学習しない。経験を振り返ることで学習するのだ」というものがあります。最終プレゼンでは出席したほぼ全員から質問や指摘が行われます。
新卒社員が1ヶ月で作り上げたシステムに舌を巻きつつ、足りていない観点や自分ならこうする!という意見を交換したり、より良いシステムをつくるためにはどうしたら良いかのフィードバックを返します。全てのプレゼンテーション終了後、代表の白土から配属先発表があり、ゴールデンウイーク明けから本格的にチームに入り業務が始まります。
このように、ユニークビジョンには技術が大好きで良いシステムをつくろうとするエンジニアが毎年入社します。掲げている「OPEN&FLAT」の通り、新入社員か先輩社員かは関係なく、日々技術について議論や改善を楽しむメンバーばかりです。気になった方はぜひ一度応募をご検討ください!